2018年8月上旬に行ってきた和歌山市沖合にある友ヶ島散策の記事です。
タイトルにもあるように、スタジオジブリのアニメ「天空の城 ラピュタ」の世界のようだとして、またインスタ映えするスポットとして人気の島です。
が、私はアニメを見ていないのでそこのところは正直わからない、ということを先にお断りしておきますm(__)m
友ヶ島について
友ヶ島の位置
紀伊半島の南西、和歌山市と淡路島との間にある島です。
友ヶ島というのは通称で、沖之島、虎島、神島 地ノ島の4つの島の総称です。
友ヶ島の歴史的役割
この島がある紀淡海峡は、太平洋から大阪港や神戸港へつながる重要な海路だったことで、明治時代に海軍により防衛のための施設が造られました。
現在は、関西国際空港への航路において重要な役割を担っている交通の要衝です。
第二次世界大戦まで軍が管理していたため一般人が入れず、戦後は国立公園になったものの無人島のまま。(一部は戦後処理で爆破されたものの)手つかずのままの要塞などが自然と一体化する風景が、ラピュタを彷彿とさせるそうで近年注目されています。
今回は団体ツアーで訪れましたので、バスに揺られていたら到着~ といっても片道5時間ちょっとかかりました!
友ヶ島へ向かうフェリーに乗船
友ヶ島へ向かうには、加太(かだ)港からフェリーに乗ります。
1日4~6便が運航されていて、おとな往復2000円です。
乗船場からすでにレトロ感が漂っています。
夏休みシーズンだったので、平日にもかかわらず若い人たちでいっぱいです。正直、40代以上は完全”アウェイ”ですね(さらに私はツアーの中でも若年層)
後でガイドの方にお聞きしたところ、ここ数年は、かつてキャンプなどでにぎわった昭和の全盛期を上回る人出で、休日には船に乗れない人も出るそうだとか・・・
恐るべし、SNS効果!
今も海水浴やキャンプ目的で訪れる人もいますが、ほとんどの人が軽装で、目的はひとつ!といわんばかりにスマホ片手に・・・な光景が印象的でした。
13:00発の船は、100名ほどの定員ほぼいっぱいの乗客を乗せて出航~
目指す沖之島までは距離にして6kmほど。所要は20分ほどです。
この日は見事な快晴でしたので、デッキに立っている方が気持ちよい日でした。
友ヶ島(沖ノ島)上陸
野奈浦桟橋
桟橋を歩きながら、ツアーの同行者たちと「なんだか宮島っぽいよね」と話していました。
後で知りましたが、軍事要塞になる前から修験者たちの訪れる島だったということで納得です。「神島」という島もあるくらいですしね。
なお、この島には鹿もいるそうですよ。あとは赤い鳥居が揃えば完璧!? (笑)
桟橋に向かって右に見える小さな島が神島
桟橋のすぐそばにある芝生が青々とした広場でいったん集合。砲弾が迎えてくれました(笑)
写真中央にあるのがトイレ。私は利用していないのですが、この島は水道設備がないのでトイレはバイオ式だそうです。ちなみに展望台など島内数か所にトイレがあります。
島にはガイドさんなどは常駐しておらず個々に散策することになりますが、私たちのツアーは、和歌山市のガイドさんとともに島内散策に出発します。
島内散策の注意点
この島の”売り”は 手つかずの自然。すなわち整備されていないということ。
1.歩きやすい靴で
はっきりいって島内は歩きにくい道が続きます(下記の写真の道はまだ良いほうです)
晴れていれば石がゴロゴロしているので滑るし、雨の後などにはかなりぬかるむと思います。桟橋から標高120mほどのタカノス山に向かって登り坂が続きます。
また、軍の施設だった建物のコンクリートの階段は欠けていたり、足元には草や木がはびこるところも。
そんなわけで海に行ったついでのビーチサンダルやオシャレ女子のヒールはNGです。
登山のような準備はいりませんが、十分歩きやすい靴で行きましょう。
2.懐中電灯は必需品
建物の中にも入れますが、照明はありませんので懐中電灯は必需品。
3.水分対策は十分に
そしてもうひとつ重要なのが飲料水。8月の猛暑日でしたのでもちろんですが、そうでなくても最低ペットボトル1本は持参しましょう。
桟橋のそばの広場に自動販売機がありますが、売り切れの場合もあるので、事前に持ち込んだほうが確実です。もちろんゴミはお持ち帰りです。
その他の熱中症対策として、帽子や冷却用のグッズも用意しておくと良いでしょう。
2時間弱の島内散策(ガイドツアー)に出発
島内は全長2kmほど、周囲は8kmほどあり、みどころをめぐると2~4時間くらいのコースになります。今回は15時30分の船に間に合うように、2時間弱でガイドさんの説明を聞きながら主要スポットを巡るコースでした。
島内散策マップ
保存状態の良い第3砲台跡とタカノス山展望台へ。上記の地図内の「名所探訪コース」をさらに短縮したものとなりました。
島内のみどころ
第3砲台へ向かう道
桟橋から、かつて建築資材などを運んだという”主要道路”を登ります。(上記未舗装の道)
岩場にぽっかりと空いた穴は、軍人専用の防空壕
実際は、この島に敵軍が上陸することはなかったそうです。また、周辺はうっそうとした木々に囲まれていますが、ここは備長炭の原料となるウバマガシが群生しているそうです。
目的地までは坂道が続きます。
15分ほど歩き石垣のような通路を抜けます。ここには門があった形跡があります。
写真を撮るのに忙しく、ガイドさんの案内に時折着いていけない私(-_-;)
その奥にあったのは朽ち果てた2つの建物でした。
将校宿舎
(手ぶれがお見苦しいですが・・・)
レンガの部分はしっかり残っていますが、木造部分などは劣化しています。
”廃墟萌え”の方にはたまらないスポットなんでしょうが、ワイルドすぎやしませんか?個人で探索するにはちょっと気がひけます。
発電所
こちらは戦後も長年の間、島内の発電のために活躍したそうです。
20年ほど前に関西国際空港の関連設備が島内に設置される際に海底ケーブルで電気が通ったことで任務終了。
この後、トンネルを抜けるといよいよあの光景が現れます。